カサンドラ症候群ではないか?とご自身を疑い、悩みや不安や生きにくさを感じているあなたが気づかれたことは何でしょうか?
【まだ、読まれていない方は、ぜひ先に読んでからこの記事をお読みください】⇒https://uko-destiny.com/2019/02/19/kassandra-1/
今の辛い状況を変えていくには、究極のところ、今の環境から出なければならない、これしかない!と筆者は、強く思います。
一緒に居続けるという選択肢もありますが、、、
一緒に居続けるむずかしさ
しっかりと発達障害とカサンドラの知識を身に着け、且つ身体と心の癒しを徹底する、スピリチュアルも含む、自分を俯瞰した人生観を身に着けることができれば、かろうじて一緒にいることができるのかもしれません。
しかし、相互にということが共感性のない相手と相互理解は困難な面があります。
この点をたとえを使って説明してみましょう。
地球人 対 宇宙人
定型を地球人、非定型を宇宙人とみなすと、とてもカサンドラが解り易い。
宇宙人は地球で暮らすためどうしても一緒に地球人と住み、地球になじむためのサポートを欲していた。
地球人は最初、宇宙人だと気づかずに、一緒に暮らすが、実は彼が宇宙人だとわかり、一手に地球での生活のサポートを引き受ける。
しかし、一緒にいても、理解不能の宇宙人を支えきれないと思う日がやってくる。
宇宙人だったと遅ればせながら気づいたときは遅すぎて、引き返せない状況にある。
地球人の定型から、地球になじまないおかしな人だといえば、宇宙人からはお前が変だ、おかしいといわれる。
地球人はある程度は宇宙人を理解できるが、宇宙人からは、地球人を理解することは無理らしい。そこが悲劇だと思う。
非定型の方は、普通には、相手の感情や思いを想像できませんから、どうしても、定型【カサンドラ】の方が、かなりの割合で、相手を理解してあげて、寄り添うというバランスの悪い状況になります。
これまでの疲弊から、余裕のなくなってしまっている年齢の高い方や、相手の発達障害の程度が強いと歩み寄ってサポートするエネルギーが枯渇しており、一緒にいれる限界を迎えてしまうでしょう。
人によっては病気になったり、パニックを起こして、自らの意志ではなく状況により、別居になっているケースも多いです。
なぜ、ここまで疲弊しても、自ら【離れる】という行動がカサンドラ症候群側の人にないのでしょうか?
私が思うには、前の記事でも取り挙げた【ストックフォルム症候群】が影に潜んでいるのではないか?と思います。
では、この、ストックフォルム症候群について、考察してみましょう!
ストックフォルム症候群とは?
ストックホルム症候群(ストックホルムしょうこうぐん、英語: Stockholm syndrome)は、誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者についての臨床において、被害者が生存戦略として犯人との間に心理的なつながりを築くことをいう。
ただし臨床心理学における心理障害(精神障害)ではなく、心的外傷後ストレス障害として扱われる。
スウェーデン国外のメディアが事件発生都市名、ストックホルムに基づいて報道した経緯がある。
経緯としては、1973年8月、ストックホルムにおいて発生した銀行強盗人質立てこもり事件(ノルマルム広場強盗事件)において、人質解放後の捜査で、犯人が寝ている間に人質が警察に銃を向けるなど、人質が犯人に協力して警察に敵対する行動を取っていたことが判明した。
また、解放後も人質が犯人をかばい警察に非協力的な証言を行った。
スウェーデン国内で、犯罪学者で精神科医でもあるニールス・ベジェロット (Nils Bejerot) が「ノルマルム広場症候群」を意味する Norrmalmstorgssyndromet と呼んだ。
それをスウェーデン国外のメディアは「ストックホルム症候群(Stockholm syndrome)」と報道した。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
この事件を詳細に説明してみます。【この事件以降、人質をとる側と人質にとられる側の役割には、それまでとまったく異なる光が当てられるようになった。】
この事件は、人質事件として同国で初めて生中継された、5日間の立てこもり劇としてスウェーデンの人々を釘づけにしました。
オルソン元受刑者は要求の一つとしてスウェーデン史上、最も有名な銀行強盗クラーク・オロフソン(Clark Olofsson)受刑者(当時)を釈放し、現場に連れて来ることを挙げ、その際、「さあ、パーティーはこれからだ」という有名なせりふを口にしたそうです。これを警察は飲みました。
最初は脅されていた人質たちは、しばらく経つと恐怖が、其れとは違うもっと複雑な感情に変わってきたのです。
スウェーデン国民は、人質の肉声を聞くことができた初めての電話のやりとりで、そのことを知り、衝撃を受けました。
電話口に出た女性行員のクリスティン・エンマーク(Kristin Enmark)さんは「クラーク(・オルフソン受刑者)ももう1人の男性もちっとも怖くない。怖いのは警察です。
(犯人たちを)私は信頼しています。信じないかもしれませんが、ここでは大変うまくやっています」。
オルソンとオロフソンの2人の受刑者は最終的に投降し、人質は全員解放された。
という経緯がありました。
しかし、話はここで終わりではありませんでした。
40年前には銀行強盗だったオルソン氏は1980年に出所して以来、スウェーデンでの自動車販売の仕事を経て、タイに15年間住み、農業にも従事しまた。
タイ人の女性との結婚生活は24年目になる。「(銀行強盗を)やっていなかったら、とは考えない。私の人生の大きな一部だし、あの事件の後に色々なことが起こったからだ」。
事件当時の人質2人が訪ねてきたこともあったが、刑務所の中で過ごした年月だけは後悔しているという。
事件後、懲役10年の判決を受けた犯人のオルソンは、その後タイに移住。
なんと、そこへ当時の人質2人が訪ねてきたこともあったそうです。
非日常空間で芽生えた奇妙な連帯感というものが、数十年経っても変わらなかったということのようです。
人間の心理というものは常識では推し量れません。
しかし、彼らの心理も理解できます。
きっと私もあなたも、その状況に置かれたらそういう心境になるでしょうね。
この現象を、専門家の方々は以下のように述べておられます。
最初期に、この問題を調査したアメリカ人のフランク・オックバーグ (Frank Ochberg) 博士は、FBIとイギリス警察の交渉担当者に、次のように報告していた。
「人は、突然に事件に巻き込まれて人質となる。
そして、死ぬかもしれないと覚悟する。犯人の許可が無ければ、飲食も、トイレも、会話もできない状態になる。
犯人から食べ物をもらったり、トイレに行く許可をもらったりする。そして犯人の小さな親切に対して感謝の念が生じる。
犯人に対して、好意的な印象をもつようになる。犯人も人質に対する見方を変える。」
ストックホルム症候群という言葉を生んだ米国の精神科医で、最近米国で発覚した女性3人監禁事件ではアリエル・カストロ(Ariel Castro)被告(53)の裁判で証言も行ったフランク・オッシュバーグ(Frank Ochberg)氏によれば、ストックホルム症候群には3つの要素がある。
第1に人質の側に、人質をとっている人物に対する愛着や、時には愛情さえもが生まれる。
第2に今度はそれに報いる形で、人質をとっている側が反対に人質を気遣うようになる。
第3に両者がそろって「外界」に対する軽蔑を抱くようになる。
通常、事件は突然起こり、人質は頭で考えるのではなく感覚的に「自分たちは死ぬのだ」と思うところまで恐怖を抱く。
「(捕えられた)非常に初期の段階で人質は、話す、動く、トイレを使う、食べるといった自分たちの『能力』を否定される。
それからまた、そうした『命の贈り物』を与えられる。するとそれを受け取る際に、幼児のときに母親の近くにいたときのような感覚を抱く」のだという。
カサンドラ症候群とストックフォルム症候群
自分が病気になるほど疲弊したり、命が縮まると思える思いを経験していたとしても、その状況から離れない、離れたくないというカサンドラの方々の話させていただくときに、上記で取り上げたストックフォルム症候群の心理的働きが大いに関係していると思わざるを得ません。
いったん離れて、カウンセリング等を受け、違った視点で自らを見ることが必要だと感じます。
犯罪者と被害者に似たような状況が家庭内でも起こっているとみなすことができます。
最近、報道でもよく見かけますが、子どもが親から傷つけられる行為を受けているにも関わらず、子どもは生きていくために、親は悪くないと思い込んだり、良い子でいようと努める場合も例として挙げられます。
力関係がある場合に起こりやすいので、場合によってはパワハラなどでも同じような状況が起こる可能性があるといえます。
心的外傷後ストレス障害のようなストレス反応だった場合
時間の経過と共に、犯罪者など相手への気持ちや考えが変化していく可能性が高いです。
・現在に目を向けること
・今は安全な場所で、特殊な状況だから起こった普通の反応だったのだと理解すること
が大切です。
場合によっては専門的な治療を受ける方法もあります。
共依存のようになっている場合
まずは自分の状態に気づくことです。
自分と相手との関係はもしかしたら共依存なのではないか…と気づくところからスタートになります。
・状況を変えたいと決意すること
・今まで違った行動パターンを取ること
・環境を変えること
など、いろいろなステップを経て長く時間がかかるものです。
まとめ
ひとりで乗り越えるのは大変なことなので、専門家の力を借りたり、自助グループで支え合ったり、さまざまなサポートを得ることをおすすめします。
ストックホルム症候群は、閉鎖された空間の中で必死に生きようとする人間の生存本能の働きであったり、極限状態で芽生える連帯感といったものが、絡まり合って生まれてくる心理的な現象なのだと思います。
きっと人間とはそういうものですから、今後も監禁や立てこもり事件の際には、同様の現象が起こるでしょう。
ストックホルム症候群自体は大きな事件に伴うことが多いものですが、カサンドラ症候群の場合も、家庭内ストックホルム症候群といわれるような、似た状況になる可能性は十分にあります。
気になる方は、いまの状況を改めて考えてみたり、客観的な視点になるために書き出してみるのも良いかもしれません。